パセリと手紙のある浮き島/hon
料を買い込んできたものの、食欲はなくなっていた。結論からいうと、見なければならない手紙を見るのを、外出することで引きのばして遅らせていたにすぎない。一方でそれは見るまでもないんじゃないかとも思えてきた。さっきから予感がしていた。見ても見なくても同じようなことなんじゃないか。ぼくはふと立ち上がって、開きっぱなしになっていたカラーボックスの一段目と三段目と五段目をひとつづつ閉じていった。それからテーブルにつくと、パセリのひとつを取って口に運んだ。苦くて青臭い草の味が口の中に広がる。それと同時に、ぼくは封筒から手紙を取り出して広げた。その内容はちょっと予想と違っていたが、どっちにしろ良い知らせではなかっ
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