1日/はじめ
いている
目を懲らして見ていてもちっとも沈もうとしない
太陽は鼻に指を入れた僕を上からじっと見ている
鼻水を垂らした僕はぼぉーっと太陽を見ている
太陽は空を真っ暗にさせて沈んでいく
「さよなら」と僕に静かに告げる
夜になった空の元で僕はまだぼぉーっと突っ立っている
星が僕を可愛がるようにきらきらと煌めいている
三日月はにっこりと笑って僕を見ている
僕は三日月に手を伸ばした そして三日月を掴もうとした
でも三日月は消えなかった 潰れてもいなかった 僕の心を三日月は照らしていた
僕は掴んだ三日月を手を広げて見てみた そして舐めてみた 甘い砂糖の味がした
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