1日/はじめ
三日月を全て舐めてみた すると空に三日月がまた浮かんでいた
星はこんぺいとうの味がした 僕はずっとそこに立っていた
何の感情も持たないまま三日月や星の味見をした
やがて真夜中になり 星の精が僕を迎えにきてくれた
「そろそろ帰りましょうか?」と星の精は言った
「うん」と僕は言った
星の精は僕を空へと連れて行った 上空からは街が光の溜まり場のように見えた
街がどんどん小さくなっていく
やがて僕は薄桃色の雲の上に着いた 僕は雲の上に降り立って 両親を探した
遠くに小さく灯りの灯る家が見えた 僕は駈けていって家のドアを開けた
中には両親が待っていた 僕は二人に抱きつき 「ただいま」と言った
僕は暖かい夕食を食べ そしてぐっすりと眠った
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