休日/水在らあらあ
 
ーロッパの女こじきが
プラスチックのカップもって体躯座りしている
歌でも歌えばいいのにと思う いつもただ座っているだけだ
顔は つらそうだ 歌でも 歌えばいいのに
その先の橋の真ん中では盲目のアコーデオン弾きが
いつもと同じようにソプラノを鳴かせている
見開いて 何も見えていない彼の目を見るたびに
かれのソプラノを聴くたびに
俺はムンクの叫びを思い出して橋から落っこちそうになる
それで少し立ち止まって
空を見上げる
噴水が日の光に虹を映しているプラサを抜けて
風のように一団となって走ってくる小学生たちに逆らって
前を行く乳母車の赤ちゃんに手を振って
旧市街前の賑わいを避
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