フレット、煙草/nm6
し返すぼくらの、愛すべきことをアカペラする声。そして焦げ、焦げついたビロードのための煙草。区切りをつけて、数を数えて、そうしてひとつ越えていく。お、お、おんなじだ。長い長い一日の節目、それが何かを切り替えるかどうかは分からないけれど、確実にひとつ区切られていく。オレンジの大通り。照らされるリズムにくゆらせるように。
「寄る夜に拠る、ヨルヨ、る、るるーる。選る因る夜。」
夜になると思い出す。それも、たいていは光のせいだったりするんだ。
陽だまりに踏み込まれるリズムが無気力な朝に、さらわれて忘れる忘れルール、ルール。フレット。留守中は速やかにルールーと退避して、手練手管に
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