フレット、煙草/nm6
管に蛇行しているのです。煙草。少なからず、ヒト科のきみはそうであるから、カメレオンのように隠れてより強い、強い強い散歩をする。フレット。ポシェットがはちきれるほど、のびてゆくたのしい植物のように。煙草。すべてが台無しにひっくり返って、ここぞとなりゆきを醸して、遅めのランチが予感したとおりのリミットを近づける。フレット。隊長、隊長。煙草。帰り支度はいりません、プリーズ。フレット、いやロシアで困難を抱えた恋人なんだ、それ真似て間違って、ぼくら結局後ろ髪ひかれる。煙草、そうだ、ぼくら天才なんだ。
フレット、煙草。フレット、煙草。
それはイクラ丼のイクラを数えていれば済む話だ。
ぼくらをここぞと区切っていって、いろいろが当然過ぎていく。
「るるーる。るるーる。」
いらいらしないで。
夜って、そりゃ、そう。
そうなんだよ。
イレギュラーな恋人の、夜になると思い出す魔法なんだ。
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