芽吹き/蒼依
 


それであたしが壊れてもかまわない

優しくあたしの屍を拾って

風に吹かれ消えていけば綺麗でしょう


泣き喚くみたいに あたしたち
存在を主張しているんだけど

クローンみたいに あたしたち
同じだから見つけられない

そうやって声は確実に枯れていって
どんどん小さくなっていく

気づいたときにはあたしはもうあたしじゃない
変わりはいくらでも いるんでしょう?

くだらないプライド 振りかざして
なんとか自分を保っている

優越感が生まれた 一瞬だけが
儚く汚れた幸福感を満たしてくれる

完璧な大人なんていないって
真実をみんなが知っ
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