芽吹き/蒼依
知っている
認めたくないからって黙っていたら
いつ尊敬できる日が来るの?
はやく黒く塗りつぶしてしまって
二度とは消せないタトゥーのように
たったひとりだけって思わせて
そんな一瞬があればあたしも捨てたもんじゃない
砂漠に 落ちてた
四葉のクローバー
お守りにして 持っておくよ
誰かが 遠くで
吹いた口笛
耳の奥で 響いているよ
新しい玩具なんてもう要らない
綺麗な言葉じゃごまかされない
冷たい指先を握り締めて
温かい体温送り込んで
もう一度 息を吹き返して
神様は もういない
現実も 欲しくない
夢だけじゃ 生きれない
命は 流れてく
歯車は 止まらない
機械の 部品じゃない
操縦士は あたしだけ
あたしは 生きている
戻る 編 削 Point(5)