許すという事/野薔薇
 
彼らは私を笑いました
彼らは私を馬鹿にしました
彼らは私の人格全てを否定しました
彼らは私の笑顔を奪い去りました

心に傷を負った私は
体に傷を負った彼に
毎日毎日そう言っていた

決して広いとは言えない
木造の小さな小屋
怪我を負う前はカーボーイだった彼の
自慢の品で埋め尽くされている

それらを少し見回した後
自分の体を満足に動かせない彼は
天井からぶら下げた綱を頼りに
よっこいしょと起き上がり
私の方をまっすぐに見た

彼らを憎んでいたいのなら
勝手にしたら良い
けど俺はその話を
毎日毎日
このベットの上で聞かされるのは御免だ
それならお前の
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