ベーゼンの海/soft_machine
度に
風はさらに堂々として
この冬を美しくするだろう
俺かお前のどちらかでいい
続く海に似合うならば
みじかい調べでも構わない
この単調な拡がりに
時おり虹があらわれ
いちど傾いてしまうと
見えないあやつり糸に
吊られた波が重なって
違う誰かの雨音に濡れながら
お前が弾いてくれた曲名も
忘れたふりをした
あの日の約束が
誰かのものになっているとしても
たったひとつの存在を
祈り求めずにはいられない
夢に逃がれようと
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