ベーゼンの海/
soft_machine
うとようと足掻いても
午後にはお前だけが愛した
遠浅が現れる
真実の名で
ベーゼン
お前はいまもなお広い鍵盤が
この青空の下誰かの指先に生まれ
ひっそりと失われ
何度でも甦っていることも知らず
きっと嘆いているだろう
忘却が
雲をひとつちぎり
あの日俺達から飛び去ったことも
ふたりの足跡に触れたことも
浜木綿のすべらかな
葉の脈のかげで
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