この国で「生きていく」とは(随筆)/逢坂桜
 
と、

  男だって母親から生まれたはずなのに、この程度の認識なのか、と。

  この国で、出生率が向上することは、もうないのかもしれないな、と、思った。

  別に、この男一人だけが特別じゃなくて、

  いまも、たくさんの家庭で日々懸命に生きている人々がいる。

  けれども、こんな発言も、ここまで目くじらたてなきゃならない環境も、
 
  あきらめが入ってるように、思えてならない。

  日本では、昔から家事を仕切るのは女性とされている。

  母性の神格化も手伝って、小さい子供を持つ母親が働くことは避ける風潮もある。

  働いていても、女性が家事を担う
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