メールロボの幸福/ふるる
 
んだ。君は上手いから。」

マモルは片方だけ移植された機械の手でロボットの固い体に触れた。コツン、と乾いた音がした。
彼は寝たきりで稼いだお金--それは本当は、彼の身体を完全にサイボーグ化するためのお金だった--を、このロボットにつぎ込んだのだった。

マモルのインタビューより抜粋↓
「友情とか、そんなのじゃないですよ。ロボットはただ、プログラムどおりに動いているだけです。彼は今も昼夜関係なく、子供たちにメールを送り続けています。でも、そんなことはどうだっていいんです。彼と話をしていると僕は楽しい。いつかは飽きてしまうかもしれない。でも、20年間、僕は楽しかった。ただ、それだけなんです
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