星屑の停車場にて/ダーザイン
 
し、危うく谷底に転がり落ちそうになった
金魚鉢の中の金魚のような俺の永劫回帰
想像しただけでぞっとして、逆上の果ての神殺しを演じかけたわけだが
むろん神様なんてとっくに死に果てているわけで、ナイフは空を切り
俺は存在しないも同然の、時空の歪みのような男なので
傍目にはカマイタチが虚空をよぎっただけ
すなわち存在しないも同然の出来事だったりするわけだ
微かな記憶の糸を辿り
藁色の髪のひまわりのような笑顔を、思い浮かべてみようとしても
影絵芝居に灯す光源は見つからず、夜は更けていくわけで
とても、もう一度とは言えない
シジュポスのようにはいかない

四.ゼロの夏

しんし
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