星屑の停車場にて/ダーザイン
んしん降り積む雪の夜空に
夏の形見の花火をひとつ
打ち上げてきました
えいえんに失われた
ゼロの夏
送電線をたどって
坂道を登りつめても
遠い記憶の中で微笑んでいる
ピンクのワンピースのあなたは
もうどこにもいなくて
誰もいない夜空に灯した光の花束は
誰に届けられることなく
消えていったのです
さようなら
20世紀
五.鉈を一本もってこい
風の強い夜だ 星がふるふる震えている
草原の千の舌がざわめき 電信柱をたどっていくと
地平線で、人の形をした巨大な塔が燃えている
おいお前、なたを一本もってこい
明日という名の空ろな祈りを、打ち据えた無の一撃を
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