第十六次シュークリーム潰れちゃった戦争/ロカニクス
 
何故なら彼らはひとしずくの馬鹿だったからです
何故なら理由などいらないからです

「怖い」という言葉が似合わない馬鹿どもだったからです


真っ白な平原をカタカタと
おとなしく戦車が走っている
かつては多くの生地を血祭りにあげ
戦争を泥沼に仕立てた必需品も
今ではもうクリームを泡立てる権力すらない

最近ここに赴任してきたひとしずくたちは
透明なヘルメットと軍服と銃や剣を身に付け
お国のためにそこそこ頑張ろうとしている

彼らは色を持ち合わせていないので
言葉で確かめ合う
遠い異国の地では無力とされている騒音を
馬鹿なりに支えあって寄り添う

敵とも言葉で
[次のページ]
戻る   Point(3)