青いひとつの/ねなぎ
 
すように
収縮していくと
もう指が固まり
手が離せなくなっていた
その場で悶えるように
矢鱈滅多らに
振ろうとするが
首筋が引きつって
筋肉が内側に引き寄せられて
その引き寄せられずに
掴んだまま
とめどなく溢れて
毀れるように
磔られて
つんざめかされるように
膝から崩れて
背骨が押されて捩れていく


今まで研修では良く有ったが
それはいずれも
何人かでする現場だったので
保守は初めてだった
小さい所と言われたが
不安は膨らんでいた
工具入れを抱えて
営業の同僚が
お客さんに説明しているのを
眺めているが
椅子に座っている人々が
独り
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