青いひとつの/ねなぎ
独り作業服の
自分を見ている気がして
申し訳無いような
かと言って
どうにも出来ない気持ちで
同僚に促されて
机と書類とダンボールの積み上がった
倉庫の暗い角へと
連れて行かれた
と
埃を被り
塗料の剥げかかった金属の箱の取っ手を
腰道具のマイナスで抉じ開けると
明らかに異質の臭いがして
ブレーカーが落ちている
取り合えず
営業からお客さんに連絡して貰って
電気を一端止めて
代わりの100のブレーカーを
取り付けて見たの
だが
落ちたままで復旧がされない
取り合えず
良く見ると
線の被覆が焦げている
電気を入れてみても
他の所は生きているので
線からやり直して
測らないと駄目かと思い
また
と言うのも
言い辛く
接触の問題かと
覗き込んで
中腰で
箱の中に体を乗り入れて
ブレーカーを
触ろうと伸ばした時に少し
体勢が崩れて
時には
右手が咄嗟に
何かを掴み
ざらついた
右手に違和感を感じて
目線を上げると
じゃりじゃりとする
錆びのように黒い
焦げつきを握っていた
すぐに
痺れが
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