浮遊する夢の形状 デッサン/前田ふむふむ
もしれない。
剥ぎ取られた灰色の断片が、少しずつ絞られて、
長方形に鋏がはいる。
わたしは、粗い木目の窓を眺めながら、
捨てきれない、置き忘れた静物といっしょに、
墜落する死者の夜を見送る。
湧き上がる夜明けのときに――。
2
朝焼けが眩しい霧の荒野が、瞳孔の底辺にひろがる。
赤みを帯びて、燃えている死者の潅木の足跡。
そのひとつの俯瞰図に描かれた、
白いらせん階段が、空に突き刺さるまで延びた、
古いプラネタリウムで、
降りそそぐ星座を浴びた少女がひとり。
凍える冬の揺り篭をひろげた北極星を、
指差しながら、
わたしに振り
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