見えてきた友情について/結城 森士
言えないが比較的)。だがそのACの持つ「依存的」というのは一方で歪な人間関係を形成しかねない。だからそれは人間関係に何を求めるのかという議論を行う上で大きな問題になる。
帰属意識が強く、鎌倉時代のご恩と奉公のような義理人情を重んじる特性でもあるのだが、依存の度が過ぎた場合、それはつまり、相手と自分との関係を特別なものにしたいという下心の表れだ。依存が強く出てしまうというのは相手に救ってもらいたいという欲求であり、言わば他力本願である。相手に尽くす一方で相手からの見返りを期待しているのである。
では、利害で結ばれた人間関係というのはどんなものだろう。上昇志向の人間同士が出会い、お互いの良
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