詩と詩論(その一)/生田 稔
の道には怖ろしいものがある。そして,アーモンドの木は花を咲かせ,ばったは身を引きずって歩き,ふうちょうぼくの実ははじける。それは,人が自分の永続する家へと歩いており,泣き叫ぶ者たちがちまたを歩き回ったからである。 銀の綱が取り除かれ,黄金の鉢が砕かれ,泉の傍らのかめが壊され,水溜めの水車が砕かれてしまう前に。そのとき,塵はかつてそうであったように地に帰り,霊もこれをお与えになった[まことの]神のもとに帰る。」
「アーモンドの木は花を咲かせ」は頭髪が白くなることを意味するが、インドにも頭にかぶる花の冠がしおれるという類似の表現があることは面白い。この詩人には難解晦渋な詩はなく、漢詩を引き継ぎな
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