詩と詩論(その一)/生田 稔
衰相を言う。衣服が垢で汚れる、頭にかぶっている花の冠がしおれる、体が臭くなる、わきの下から汗が流れる、自らの地位を楽しまなくなる。ヘブライの教え、つまり後のキリスト教に取り入れられた聖書「伝道の書」にはこうある。「 太陽と光と月と星が暗くなり,雲が帰って来て,その後に豪雨[が降り出す]前に その日には,家を守る者たちは震え,活力のある男たちはかがみ,粉をひく女たちは自分たちが数少なくなったので働くことをやめ,窓で見ている婦人たちは暗くなったことに気づいた。ちまたへの扉は閉ざされ臼の音も低くなり,人は鳥の声に起き上がり,歌の娘たちすべても低い音に聞こえる。 さらに,彼らはただ高いものを怖がり,その道
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