詩と詩論(その一)/生田 稔
端的に率直におしえている。わたしたちは朝に夕に詩をうたうべきである。つまり人はパンのみによって生きるのではない。パンを食べつつうたうのである。酒を呑むときも人はうたう。
この河井酔名さんの詩を読みつつ, 「われはこの詩人なり。この詩人はわれなり。
この詩人は幸いなり。」と思った。
さらにもう一つこの方の詩をのせよう
「ゆずり葉」
子供達よ
これは譲り葉の木です
この譲り葉は
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉に命を譲って―――
子供達よ
お前達は何を欲しがらないでも
凡てのものがお
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