詩と詩論(その一)/生田 稔
 
がお前たちに譲られるのです
   太陽の回るかぎり
   護られものは絶えません
   
   輝ける大都会も
   そっくりお前たちが譲り受けるのです
   読みきれないほどの書物も
   みんなお前たちの手に受け取るのです
   幸福なる子供達よ
   お前たちの手はまだ小さいけれどーーー

   世のお父さん、お母さんたちは
   何一つ持ってゆかない
   みんなお前たちに譲ってゆくために
   いのちあるもの、よいもの、美しいものを
   一生懸命に造っています

   今、お前たちはきが附かないけれど
   ひとりでにいのちは延びる
   鳥のよう
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