魔方陣の午後/umineko
する。ぜんぜん、眠くないので、そのままお城の周りをランニングした。早起きのじーちゃんばーちゃんを軽々と追い抜いた。
だが。午後になって。
私に虚無が訪れる。
眠い、のではない。ただ、真ん中の、大事な部分が作動していない感じなのだ。どうなってもいいや。私はふてくされた。走れメロスの、主人公を思い出す。やんぬるかな。そのときの私は、すべてを投げ出したかった。どうしてこんなに駄目になってしまったのだろう。私は自問し、そのこと自体が悲しくなった。シロップもどきのことは、すっかり忘れていた。
気づくと私は、床の上にいた。身体のあちこちが痛む。あり得ない角度で眠ったらしい。首をこきこき鳴ら
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