魔方陣の午後/umineko
鳴らしながら、ふてくされた私のメロスは、どこかに消えていた。そうしてようやく、昨日飲んだ、シロップもどきのことを思い出したのだ。
虚無とは。そんなふうにしておとずれるのだろう。ユンケル1本ごときで大げさな、とも思うがしかし、アーチストが、ミュージシャンが、あやしいくすりにおぼれたりするのは、このギャップを求めているのかもしれない。欲望を。さみしさを。増幅させるせつない魔法。
私は、束ねられた資料の山を、ちらりと見やる。
あなたはだあれ?私?
それとも。
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