俺は変った/山崎 風雅
異国の地に俺は旅立った
俺は心底怯えていた
鏡の中に見る自分の情けないこと
それでもステージにたたなければならない
否応無しに経験が積み重なる
部屋では自分を騙せたが
ここではごまかしはきかない
大男が斧で薪を割ってる
震えて近づけなかった
物陰に隠れていた
しかし奇跡は訪れる
アルゼンチンの青年が俺に興味をもった
しばらく生活を共にし
ぎこちないコミュニケーションの中で
自分ででも気付かないものを
その男は俺の中にみつけた
俺はお前が好きだ
へんな意味ではなく
俺の本質を理解してくれた
それが本気だ
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