俺は変った/山崎 風雅
 
気だということは
 直感でわかった

 それまでの俺は
 人は見てくれで判断するものだと思っていた
 信じると言うことを知らなかった

 アルゼンチンの男は本音で語る
 俺は心の氷河が溶け出した
 時間が経つほどに
 俺は奇跡を味わった
 自分をさらけ出した
 こんな自分がいることを知らなかった

 俺は日本を憎んでいた
 日本を信じてなかった
 連絡を取り合う友達さえも信用していなかった
 しかし、異国の地で衣を脱ぎ捨て
 心の交流を始めて経験して
 俺の中のリミッターがとれた

 日増しに明るくなる俺
 日増しに自分らしさを取り戻した俺

 一粒の愛を信じた
 それから、俺の人生は変った

 環境に負けていたんだ
 環境を自分で変えれば良かったんだ

 同じ境遇でも
 人それぞれにリアクションは違う
 環境のせいにしているのは
 臆病のなす業だ

 今では日本を恨んでない 
 日本人であることに誇りをもっている
 親、兄弟にも不満はない
 むしろ、愛している

 俺は変った



 
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