*聖女レィビー様のエメラルド*/知風
 
とになるぞよ


捨て台詞もそこそこに
馬のひづめが遠ざかる


ママ・ミグニィはにやりと笑い
マァギィ・マァリーに日記帳を手渡した

マァギィ・マァリーが
そっと開いて見たページには

皇女レィビーの毎日と
最期が書き記されていた

それは“野薔薇の蔓”通りの住人なら
誰もがみんな知ってるおとぎばなし

哀しいひとりの女の子の
ほんとにほんとの出来事が


   ところでマァギィ・マァリーや

   あの窓のところにあった
   薔薇はどこにやったんだい?


ママがそう尋ねたので
マァギィ・マァリーはこう答えた


   あんま
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