*聖女レィビー様のエメラルド*/知風
名を持つ御方の御身に
そのようなことは起こり得ぬ
これにて失敬させてもらう
憤然たるお役人の背に
ママ・ミグニィがさらに言う
ところであんたの王様は
エメラルドなんて石っころ
見つけて崇め奉りたいなんて
さては拝石教徒かねぇ?
さしもの紳士気取りも大憤慨
サーベル抜いて切りかからんと
振り返ればすぐ目の前に
眼光鋭き厚い壁
ほおずき亭の全ての女
はなたれゾーラからラダ婆バまで
かの罪深き女たちが腕組んで
役人の前に立ちふさがっていた
あまり調子にのりなさるなよ
後で後悔することに
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