眠り姫の目覚め/なかがわひろか
 
わたしがその昔
まだ若くて
眠り姫だった頃のお話

お父様は
わたしの婿選びに
わたしを目覚めさせた者だけが
その権利を得ると各国の王子たちに御触れを出した

わたしはまだまだ若くて
やりたいこともそれなりにあったけれど
お父様が納得するなら、と
何も気づかぬふりで眠り薬を一気に呑んだ

しかしいささか
わたしは飲みすぎたようだった
各国の王子は
お父様が築いた壮大なまでの仕掛けに
八つ裂きになったり
首をちょん切られたりした

けれどだんだんと
近代化するうちに
強力な武器を持って
それを楽々と打ち破るように
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