気功師になれるかもしれない/千月 話子
がら 送電しながら
待つ身を整えれば
蜘蛛糸は やがて形状を変え
空洞の円筒形に熱い層となり
押し 押しては
反発する弾力を
薄々と感じるのです
そのような日の 私の体内には
私が程好く充満し
美しい火花を放電する
気功師に なるのです
飲みかけの炭酸水の気泡が
ゆらゆらと 浮き上がろうとしています
布地に包まれた羽毛が
わらわらと さざめいて破れそうです
私の手の指は ふわふわと
・・・・しそうです
一通り楽しんだ腕は くたびれて
徐々に閉じる距離を縮め
逃げそうなゴムボール型を
押し潰すように押しつければ
指先ぎりぎりで熱くなる
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