異国へ続くロッカー。/もののあはれ
て叩きつける様に扉を閉めた。
『なんだなんだなんなんだ!』
そんな事はありえないと思いつつも。
連中が何故だかかなり怒り心頭だった様子からも。
とても再び扉を開けれたものではないと。
僕の心の声が警鐘を鳴らす様にそう告げていた。
『ようどうした!』
声の主は僕が間違えて開けたロッカーを使用している張本人。
三つ年上である先輩が妙に嬉しそうに声をかけて来た。
『い、いや別に何でもないです。』
あからさまにギクッとしてしまい驚きは隠せなかったが。
僕は頭がおかしいと思われたくなかったので。
今見た事実を話す事はしなかった。
すると先輩はやおら自分のロッ
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