異国へ続くロッカー。/もののあはれ
終業時間後。
作業服を着替える為にロッカーを開けると。
そこは異国であった。
しかも見るからにガラの悪い連中が。
こちらを指差して訳の分らない言葉を発していたので。
なんだかとても恐ろしい気持ちになり。
慌てて扉を閉めるとそれは先輩のロッカーであった。
間違いで良かったと何故かほっとして。
今度は自分のロッカーをガチャリと開けると。
そこもまたさっきの異国であった。
しかもガラの悪い連中が更に数を増しこちらに近寄って来ていた。
手には各々、ナイフみたいなものや鉄パイプみたいなものを。
ガッチリと握り締めてはこちらににじり寄って来たのだった。
僕はゾッと血の気が引いて叩
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