トーマス/ごまたれ
 
話さない、
汚らしい、
笑い声が耳障り、
遅刻する。
どっちにもつけないあたしは
真ん中で見守るしかなかった。

やがて
トーマスの口はへの字に曲がっていった。


給湯室でお茶を飲んでいたら
トーマスが来た。
あたしを見るなり 今度は旦那の話しをしてきた。

「旦那とは出会い系で知り合ったんです。」

お茶を吹き出したあたしを無視して
漫画の少女のような顔つきで
またもや勝手になれそめを話し始めた。

高収入、高学歴、高身長は必須条件。
検索でひっかかったのがその旦那(のみ)。
3回目に会ったときに二人で結婚をきめた。

その話は社内に広がった。
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