■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史/岡部淳太郎
よりは
るかにはるかに晴れわたる白昼の闇
を破って沸沸と噴きあげる白い噴水
(那珂太郎「秋の・・・」より)
あさ八時
ゆうべの夢が
電車のドアにすべりこみ
ぼくらに歌ういやな唄
「ねむたいか おい ねむたいか
眠りたいのか たくないか」
ああいやだ おおいやだ
眠りたくても眠れない
眠れなくても眠りたい
無理なむすめ むだな愛
こすい心と凍えた恋
四角なしきたり 海のウニ
(岩田宏「いやな唄」より)}
ここに引いた二篇は、いずれも韻を踏んだ詩の例である。那珂太郎の詩はa音の「秋」「あらし」「あしおと」の頭韻で始まり、そこから次第に音をず
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