■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史/岡部淳太郎
 

2本のチョコレエト色の足が
グレエトデンのように突然 狂暴に
欲情し 床(ゆか)をけり はねはじめるのだ
?時は今?
今 はどこにいてどこに生えてるの? なんていわない彼は
彼はちぢれた髪にこてをあて3センチほどの高さにカールをつくる それが彼の今だ

(白石かずこ「Now is the time」より)


わが帰趨は明確には決し難い。勿論決着の意味するところは解り切っているし、それはどうあったところで、決しかねていた旧の状態を殊更に好転せしめるとは言い難いものなのだ。だから帰趨するところは、ある種の愚直な言訳をつねに背後におかねばならぬ。事実私の知覚に於いて最も
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