■批評祭参加作品■日本の詩における韻律の歴史/岡部淳太郎
全体を通して貫かれている。
このように、近代詩から現代詩へと移り変っていく過程において、旧来の七五調のリズムではない新しいリズムを生み出そうという試みが多くみられるようになった。だが、それとともに詩が際限なくだらしなく広がっていくような現象が現代詩全体を静かに侵食していく傾向が見られるようになり、やたらと長い詩や散文詩がその延長上で発生するようになった。詩に韻律の危機というものが訪れたのである。
{引用=?時は今?
吠えつづけて唄いつづけるオーストン氏の
黒いひたいから 時がいま いまと
こぼれるので
おしゃれな彼のピンクのシャツも全く濡れて
そのズボンの中にしまわれてる
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(3)