冬の一日/番田 
 
冬空の下を歩いていると、僕は、どこに向かっているのだろうかと思う。太陽の日差しは以前と変わらないけれど、でも、日の入りまでの時間は伸びてきたように思う。そんなことを思いながら歩いていた。隣町に向かう道の、コンクリートの、川の縁を。川の、何度か、誰かとすれ違った気のする、長い道は続いていた。子供の集団というのは最近はあまり見かけなくなったもので、平日は公園などにいたりするものなのだろうかと思っていた。落ち葉の影すらも見かけなくなった、だだっぴろい公園の景色の横を過ぎていった。突き当りの川には、下流に行くと鴨が浮かんでいたりする、昔は鳥は食料だったのだということが頭をよぎるけれど、いることを確認しては
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