爆発/暗合
 
 あたたかいきもちは、いつだって僕を傷付けてきた。これは幸せになるためにあるものではないのか。笑って、僕に「君は出来ないよ」という怪物に僕は泣きながらうなずいている。怪物の言う通りだった。僕は何も出来なかった。
 SFだかサスペンスの漫画に、人間の頭が爆発するシーンがあって、そんなことが出来る超能力者は遊びのように視界に映る人間たちを爆発させていく。白い脳みそがたくさんアスファルトにこぼれている。爆発する瞬間の、あの女の子の目が飛び出して、よかったね。とても目は大きく綺麗に見えるよ。だから僕は花火大会に来ていた。僕もいつか痛みを感じる間もなく、世界に弾け散るのだ。瞬間の激痛は、むしろ快感だろう。
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