歩きスマホはよくない/soft_machine
 
わたしの散歩地図は人通りの少なさを最優先で作成されます。するとふるかったり、怪しかったりする道で構成されてとても具合がよかった。雨でなければ週に四、五日は歩き回ります。
枯れた花は、蕾や咲きほこる花びらに負けないくらい美しい。首輪を締められた犬は、わたしと目が合うと(いや誰とでもの筈だが)大抵が視線を逸らさず、すれ違ってはふり返る。ひとつとして同じではない雲は、必ずその日一番のわたしのお気に入りが見つかる。鉄筋や甍の連なりをついつい数えてしまう。鳥が飛ぶ度にもだ。子どもの頃は息を数えるのにも夢中になった。かならず早々に挫折するのも飽きなかった要因だろう。
人はあまり見ない。素敵な服飾や美しい匂
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