私は猟人だった/山人
 
 五年ほど前であろうか、私は銃を返納した。煩雑な更新手続きと、年に一度の警察の自宅検査。そして銃という凶器になり得る道具とその弾薬。それらの管理だけならまだしも、わずか三ヵ月の猟期と少ない獲物。それらの事から、私の猟欲は失せていた。
 私はチーム猟は苦手で、ほとんど単独で出かけるのが好みだった。
 十一月十五日は狩猟解禁日なのだが、その後、私は比較的曇天か雨模様の日を求めて初猟に出かけた。
 銃口から漂う、オイルの匂いと、かすかに居ついた火薬臭。頬に当てがわれるであろう銃床の木質が光る。
 私の猟は、鴨撃ちから始まる。行きつけのダム湖の近くに車を停車させ、双眼鏡で眺める。鴨が居る位置を確認
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