エレキギターと空軍機/番田 
 

昔僕は相模大野で暮らしていたのである。僕の住んでいた部屋の下には若い米兵が住んでいた。通りには、まだいくつかの夢が、買ったばかりの自転車で街を走ると、見えていた気がする。車に傷をつけただろうと、走っている腕を掴まれて言われたこともあった。スーパーへと、広い駐車場の間を通って歩いていた道。同じくらいの歳の女の子が、試供品の肉を僕の姿を見てすぐに差し出してくれたこともあった。僕は、雪の積もる日もそのスーパーに行っていたのだ。足を伸ばして駅の向こう側にできたスーパーに行っていたこともある。まだ若かったから、僕は、そんな疲れることをしていた。少しだけ、値段がそこは安いというだけの理由で。そこへ行く途中
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