エレキギターと空軍機/番田 
 
途中に、風俗店の看板が怪しく光っていた。ネットや、聞くところでは、ぼったくりなのだという話だ。風俗店自体がこのあたりではたった一軒しかないのに、よくわからない店だった。


街に住むときに、上空を通る戦闘機の存在に気づかなかったのは、全くの誤算だった。その話を若くてルックスの良かった不動産の女性担当者はしていない。祝日や土日は戦闘機は上空を通らなかった。そのような計算がなされていようとは、田舎者の僕は気づかない上、全くわからない。周囲は素性のしれない人も多く、外観も微妙なアパートだった。部屋で、エレキギターを弾いていた僕。ラジオからは時々知り合いのバンドの曲が流れていた。まだ、彼らの知名度はあまりなかったあの頃。必死でギターを、僕も練習していた。



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