大根論文/道草次郎
役立たずの大根の種、それを見極める方法を知っておられるだろうか。
それは、水に浸してみることだ。
しばらくするとプカプカと浮いてくるやつがある。それが、たぶん高確率で芽の出ない種だ。中身がスカスカで浮い来てしまうという訳だ。大体はその方法で無駄な地べたを使わなくて済むようになる。
けれど、たまに不思議な事が起きることもある。
生来のドケチ根性も手伝ってか、試しにそこいらに撒き捨てておいたこの落第種が、ふとした拍子に芽を出す事があるのだ。しかも、それがなかなかどうして、立派な、太い大根となる事があるのだから不思議だ。
そんな事が起きると、何だかへんに喜んでいる自分がいて、いつもより
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