大根論文/道草次郎
より目いっぱい引き抜いてしまう。そういう大根に限って、その太さと長さたるや逞しい事この上ない。
そして、これは脚色ではない事を予め断っておくのだが、そんな大根は、往々にして、先っぽのところが微妙に、セクシーに、クロスしている可能性が高い。
さて、夕餉である。
とりあえず先っぽ(お尻)は辛いけれど、そこは味噌をつけて生で頂戴する。なんだか、それが妥当な食べ方のように思われるからだ。あとは煮るなり焼くなり炙るなり漬けるなり、好きにすればいい。
口説いようだが、役立たずの種から育った大根の脚はセクシーにクロスしている可能性が高い。否、極めて高いと言っても良いだろう。
何を隠そう、じつはかの不可思議なる事象についての論文、これを近々「大根の脚学会」に提出しようと目論んでいる最中なのである。
それにしても先っぽ(お尻)の辛い事と言ったらない。いつまでもそれは口中を騒ぎまわり、収まる気配すら見せないようなのだ。
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