安置室の話など/道草次郎
先日母方の祖母の妹が亡くなったので、祖母を安置室のある家族葬ホールに連れていった。親族といえども、ごく近い近親者以外の告別式への参列は憚られるという事だった。この時節、どこでも大体そういう段取りなのだという。
ところでその時ちょうど亡くなった祖母の妹の娘が、八潮れんという詩人だということを思い出した。つまり、ぼくにとっては大伯母の娘で、母にとっては従姉妹だ。
祖父が亡くなった時だったか、一度だけ会ったことがある。その時のぼくは半引きこもりの状態で、集まった従姉妹たちに混じって全身針で刺されるような気持ちで座っていたのを覚えている。
その大伯母の娘もどこかポツンとしていて、遠くを見
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