恋昇り3「相談」/トビラ
 
「一ノ世の奴、遅いな」
菜良雲が苛立って言う。
「まさか、死んじまったか」
こいつ。
「一ノ世君は死なないよ」
山藍さんが言う。
私も続ける。
「一ノ世君は、きっと生きてる」
「根拠は?」
連座が鋭く突いてくる。
「勘」
「榛名さんの勘か。なら、生きてることも考慮にいれて考えるか。ただ、当面は、一ノ世はいないものとして考える。ここにいない奴を戦力として数えることは俺にはできない。立場上、な」
「もしかしたら、一ノ世君は私たちに助けを求めてるかもしれないよ」
私は食い下がる。
「一ノ世が俺たちに助けを求める? お前、正気か? 助けを求めたいのは、俺たちだぜ?」
菜良雲
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