恋昇り3「相談」/トビラ
良雲がわめく。
黙ってろ。
心の端が黒くにじむ。
「ごめん、私が悪かったね。はじめに倒れちゃって、みんなに迷惑をかけた」
「気にしないでよ、山藍さん。あれはしょうがなかったって」
菜良雲は山藍さんのフォローはする。
山藍さんは長い髪をまとめる。
端正な顔がより端正になるような気がする。
「今から、索敵をするね」
「できる?」
連座は短く言う。
「するよ」
それに山藍さんは、短く答える。
山藍さんが意識を集中すると、星が浮かび上がってくる。
一つ、二つ、三つ、……。
え?
三つ?
山藍さんの「星の視座」は、本来十二個の星を浮かべて、その複雑な動きを読み取って、周
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