デカメロン/アニュリタ
 
【大きな女の話】


 さざなみのようなくすくす笑いが船室を満たし、ゆっくりと退いていくのを見届けてから、**夫人は次の語り手を指名した。
「恭子さんもお盛んだこと!わたし、ちょっとどきどきしちゃったわ。
 それじゃあ次はお若い殿方がいいわね。どうかしら、水谷さん。あなたのご経験からお一つ、ちょっと変わったお話しをしていただけません? ずいぶんお若いようですけど、あなたほどハンサムで、意志の強そうなかたでしたら、色々なご経験もおありでは?
あなたも今夜はおさみしいでしょう。
 上手にお話ししていただければ、どなたかマダムなりお嬢さんなりからご褒美があるかもしれませんよ。」

 大
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